Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2003
『僕って以外と神経質』2週連続優勝がかかる手嶋多一が、好発進
所属先ミズノのクラブデザイナー、女部田真弘(おなぶたまさひろ)さんも、手嶋の 性格につ いて「手袋のストラップの位置が1ミリずれても嫌がる。クラブの1ミリのズレも即座 に見抜く 。見た目以上に繊細な人」と証言する。
しかし4日たった今は、それもようやくおさまってきて、前夜から安らかに眠れるよ うになっ てきた。体調も、ほとんど回復。「ゴルフの調子は先週の流れのままだし、良い感じ ですね」 。
石狩湾からの強風が、ここ札幌ベイゴルフ倶楽部の名物。この日初日も8メートルを 超える風 が吹き荒れる中、最終18番では右手前バンカーからの第3打を直接入れてイーグルを 奪うなど1 アンダー。今週も好スタートを切った。
難コンディションの中、ボギーをたった2つにとどめて安定したスコアをたたき出し てきたの も、繊細な性格がなせる技だ。
もともとドローヒッター。左からの風には対応できるが、右からの風には極端に弱 い。この日 は苦手なフェードも打たなければならず、そのため、いつもより1クラブ大きな番手 を短めに 持つ工夫をした。
またこの日は、一環してグリーンセンター狙い。万一ミスしても「ボギーだけは絶対 に打たな いよう」必ず、パーを狙えるポイントに落す作戦を貫いた。
「グリーン上のボールが、ゆらゆらと動くほどの風」には、体が勝手に反応してい た。普段、 ほとんど両足を揃えて立つ狭いパッティングスタンスをするが、「今日は無意識に、 広めにな っていましたね」。
先週、1年8ヶ月ぶりのツアー3勝目をあげたばかり。狙うは自身初の2週連続優勝だ。 しかした とえば谷口徹や片山晋呉のように、絶対にそれを公言したりしない。
「言葉に出したら、それがプレッシャーになって自分に襲いかかって来ますから ね」。
思いは、胸の奥にしまったまま。「今週は、我慢戦になるかな? こういうとき、ど さくさに まぎれて順位を伸ばすのが、僕は得意だから」首位とは3打差。手嶋が静かに抜け出 すチャン スを伺っている。
写真=この日木曜日で会場を出る、ミズノのプロサービスカーの前で、絶大な信頼を 寄せるスタッフとのスナップ。手嶋の左横がミズノのクラブデザイナー・女部田さ ん、さらに左端は、同じくミズノのクラブクラフトマン・大宮全弘(まさひろ)さ ん。
「手嶋プロは、とっても楽しい人。いつも、思いも寄らぬギャグが飛び出すので、一 緒にいて飽きません!」(女部田さん、大宮さん)