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日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズカップ 2004
ツアープレーヤーNO.1決定戦!!日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ初日この難コースでスイング改造の成果を示す首位発進、近藤智弘
この難コースでスイング改造の成果を示す首位発進、近藤智弘
「フェアウェーを外したら、ボギーは覚悟する」と選手たちが口をそろえるのが今年 の宍戸ヒルズ。場 所によっては、150ミリ以上に生い茂ったラフの先に待ち受けるこの日初日のグリー ンは、速さを示すスティンプメーター13.5、硬さを示すコンパクションは14。
少しでも計算を過てば、ボールはいともたやすく跳ねつけられる。
勝てば5年シードとWGC・NEC招待の出場権。2つの特典がつくこのメジャー戦にふさわ しい難セッティングに、フェアウェー外しのホールはたった1つだったとはいえ、 「とっても疲れました・・・」と、リーダーが、思わず肩で息をついた。
ドローからフェードへ。ジュニア時代から染み付いた持ち球の変更を決意したのは、 2002年のマッチプ レーだった。3回戦で当たった片山晋呉を1アップで倒したものの、なぜか敗北感だけ が残った。
自分との、レベルの違いを痛感させられたからだ。
これまでは、「感覚とタイミングで打つタイプ」。しかし2000年の賞金王の、常に安 定したショットを 見せ付けられて、「独学のスイングのままではいけない」。危機感を募らせて、翌 2003年の開幕戦から青山充さんと正式にコーチ契約。スイング改造に踏み切ったの だった。
まさに180度の転換に、最初はまったく球が当たらなかった。特に左にハザードがあ るレイアウトで、 左に向かって打つ勇気が持てない。「打つ前から、すでに気持ちで負けていた時期も ある」。何度も挫 折感を味わいながら、懸命に取り組んできたこの1年半。
ようやく「60点」と、ほぼ及第点をつけられるようになったいま、これまでの努力の 成果を実感できる 、今週の単独首位発進。しかも、「パープレーで上出来」という難しいセッティング で、この日はフェアウェーキープ率71.4%をマーク。5アンダーの66に、「今まで取 り組んできたことが、試合でも実践できたことに、非常に達成感を感じる」と充実感 をにじませた。
6月のJCBクラシック仙台で、自身初のプレーオフにのぞみながら神山隆志に敗れた。 中嶋常幸と2位を 分け合いながら、先週で終了した全英オープン日本予選の該当ランキングには食い込 めなかった。
デビュー当時からの夢は、米ツアーへの参戦。
「複数年シードが取れたら、すぐにでも挑戦しようと思っている」という近藤にとっ て、今大会での初 優勝は願ってもない展開だ。