Tournament article
日本オープンゴルフ選手権競技 2006
片山晋呉「本当に、取ってみるまでは・・・」
宮本留吉(2回)
セベ・バレステロス
中嶋常幸(2回)
尾崎将司
尾崎直道
自分も、この中に名を連ねたい。
この1年間、それだけを見つめてやってきた。
開催直前のインタビューで、「もし、ほんとうにそれが出来たらどれだけ嬉しいか・・・。いまはまだ、分からない。本当に取ってみるまで、その凄さは想像もつかない」と言った片山は、どことなく、戸惑っているようにも見えた。
昨年、伝統の廣野で初めてつかんだタイトル。
その感動はむしろ、日を追うごとに強まった。
「日本オープンで勝つって、こんなにも素晴らしいことだったんだ」。
改めて感じた喜びとその重み。
「・・・今度は、連覇を達成できたら」。
そんな思いに突き動かされて、今年7月から重ねた下見プレーは計7.5ラウンド。
8月のラウンドのとき、自ら倶楽部のショップで購入したという霞ヶ関カンツリー倶楽部のマーカーは、今季2勝目をあげた9月のフジサンケイクラシックからずっと、肌身離さず持っている。
「でも今週は・・・まだ、使うかどうか決めてないんだ」。
厳しい表情のまま、片山はポツリと言った。
今大会のディフェンディングチャンピオンは開催直前に、報道陣を集めて行われる視察プレーと記者会見に出席するのがならわしだ。
今年は、大会前週の4日(水)だった。
このとき、ラウンドを終えた片山は、「優勝スコアは13アンダー前後になるだろう」と、予想していた。
しかし、いよいよ大会週に入り、前日10日(火)のプロアマ戦と、この日11日(水)の9ホールの練習ラウンドをこなしたあと、前言を撤回した。
「グリーンの締まり具合、ラフの立ち具合、伸び具合・・・。(優勝スコアは)10アンダーも、行かないと思う。先週から(コースの状態は)全然変わって、何倍も難しくなっていた」。
大会主催の財団法人 日本ゴルフ協会が、威信をかけて施すコースセッティングは毎年選手泣かせで有名だが、昨年覇者はそんな傾向をむしろ喜ぶ。
「たまたま1日調子が良かったとか。たまたま真っ直ぐ行ったとか、パットが入ったとか・・・そういう選手は勝てない。72ホールやってどうか、4日間やって初めて差が出るコース。1週間たって、よりやり甲斐のあるコースになったと思う」。
昨年と、今年の開催コースを称して「西の廣野、東の霞・・・」と、片山は言った。
賞金王が、東西の両名門を制して再び頂点に立つか。
大会前の記者会見の模様はこちらよりご覧頂けます