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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2007

片山晋呉「熱いゴルフを見せたい」

いまの片山に、先週の話は禁物だ。「日本オープンは・・・」と一言でも出せば、大変なことになる。たちまち、顔をしかめて声のほうを恨めしげににらむ。

「ああ〜っもう、忘れてたのに!! ま〜た寝られなくなっちゃうじゃないの〜!」。
この日、首位に立った深堀とともに、先週の日本オープンで2度目のタイトルをかけて戦った。
谷口徹に阻まれて2位に甘んじて、声をそろえたものだ。
「残念会やろっか・・・」。
そして深堀と同様に、直後はしばらく眠れぬ夜を過ごしたという。
その悔しさも次第に癒えて、ようやく言える。「今週は、燃えるようなゴルフを見せたい」。

先週は「自分の調子をピークのマックスにもってきた」。
そう言い切るほどの好調の波が、今週いきなり消えてしまうわけがない。
それほどの自信がありながら、賞金王の試行錯誤は尽きることがない。

片山の場合は“儀式”ともいうべき毎回、律儀なルーティンは、常に同じようでありながら、実は日々刻々と変わっている。
たとえば、素振りの回数であったり、構えるクラブの位置であったり。
「いつも2回のところを1回にすると、僕の場合は劇的に変わる」という片山が、この日ラウンド途中から取り入れたのは、同じ組で回る平塚哲二のルーティンだった。

「それまでは、少し散っていた」というショットは6番からたちまち安定感を見せ、そのあと奪った5バーディは、ティショットを木の根元に打ち込んで、ダブルボギーを打った3番を埋め合わせるのに十分だった。

通算9アンダーで3位タイに浮上。
“1週遅れ”のツアー通算23勝目で、今週末こそ安らかな夜を迎えたい。

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