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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2007
谷口徹が首位キープ
最終9番ホールを終えるなり、菜々子ちゃんの姿が真っ先に目に入る。
「パパ」と言って、よちよち歩いてきたその手を思わず握り締める。
会場のザ・ノースカントリーゴルフクラブの9番ホールは、クラブハウスから少し距離がある。
1歳と9ヶ月のわが子が「ここまで歩いてきてくれたんだと思うと、やっぱり嬉しい」と、たちまち目じりを下げた。
今年、何度もチャンスを迎えながら、なかなか優勝に手が届かない状況が続いていた。
そんな夫を気遣った亜紀さんは先週の3日目の夜、電話で「応援に行けないかもしれない」と答えながら、翌早朝の新幹線に飛び乗った。
「行く、と行ったらプレッシャーがかかるような気がして」と亜紀さんは言ったが、壁を突き破った今は、そんな遠慮も必要ない。
「勝った翌週は、気持ちの余裕も出来て、気分的にポジティブになれる。前向きな気持ちがどんどん出てくる」。
この日初日はインスタートの11番で3パット、12番で左の林に打ち込み連続ボギーを打ったが「崩れかけても、すぐに盛り返せる感じがする。フェアウェーも外さなかったし、我慢ができた」と、通算4アンダーは首位キープ。
雨は止んだものの、依然として風は強く、相変わらずの難コンディション。
「パッティングすら風の影響を受ける状況で、戻して来られたのは大きい」と、2週連続優勝にむけて、ますます自信は深まった。
夜は、菜々子ちゃんの相手をして一家団欒のときを楽しみながら、戦闘モードはきっちりキープだ。
「部屋は別で取ってるから」。
睡眠もきっちり取って、体調管理も万全にいよいよ週末に臨む。