12月25日（金）奈良県ゴルフ協会と奈良県高等学校ゴルフ連盟の主催による「冬季ジュニアゴルフスクール」がのナパラゴルフクラブ一本松コース（奈良県）で開催。
奈良県の子供たちが世界に羽ばたけるようにと、特別講師に地元奈良出身の谷口徹が参加し始めて4年目。
インフルエンザなどで欠席者が多数でたものの、総勢35名の子供達がこの日のジュニアスクールに参加した。

谷口は『このスクールが少しでもみんなのレベルアップにつながってくれれば・・・』という想いをこめて、本来は4歳になる愛娘菜々子ちゃんと過ごしたいクリスマスを返上して駆けつけた。

スクール開講後、まず初めは子供達からの質問コーナー。
過去2度の賞金王、そして今年は『ANAオープン』で中嶋常幸の猛追を振り切り2位に4打差をつけ優勝した谷口に子供達は矢次に質問を投げかけられる。

質問は、谷口のジュニア時代の話から、『トーナメントに出ている1週間はどのように過ごしているんですか？』、『気持ちの切り替え方』、『何を考えながらフェアウェイを歩いているの？』など、普段は聞くことができないプロの心情やスケジュールにまで及び、子供達は真剣な表情で聞き入っていた。

「毎年来てみて思うけど、技術的に上手くなるのもだけど、子供たちは成長するからそれが楽しみ」
1年ぶりの子供たちとの再会に目を細めていた谷口は、今年は子供達に技術の面に加えて、ルールも覚えて帰ってほしいと、スロープレーについて自らが壇上でショットに入るまでのルーテイーンを披露。
子供達も壇上に上げ、いつも通りのルーティーンで何秒かかるか？などを計測し『自分が打つ順になったらクラブは何番で、刻むかどうするのか？すぐに決められるように普段から心がけてプレーするようにね！』とアドバイスをおくっていた。

講習会が終わった後は、子供達とコースに出発。昨年の雪の中での講習会が嘘のようにこの日は風もなくぽかぽか陽気のお天気に、子供達も元気に駆け出していく。あいにく、数日前に首を痛めた谷口はティーショットなどのデモンストレーションはできなかったが、バンカーショットやグリーン近くからのアプローチ等になると子供達の一生懸命なプレーに谷口も自らクラブを握りデモンストレーションを披露した。
練習場ではうまく打てる子供達も実際にコースに出てみれば様々な状況に対応しなければいけない。グリーン周りからの左足下がりのアプローチショットがうまくできないジュニアには距離感や感触を覚えてほしいと自ら披露し、直接カップイン。最初は恥ずかしがっていた子供達もプロのプレーを間近で見たことで、どんどん積極的になっていった。
レッスン終了まで谷口は子供達ひとりひとりに繰り返し基本的な構え方や正しい打ち方から、どうすれば失敗が少なくなるかなど真剣にアドバイスをおくり続け、レッスン会の途中で子供達がミスをしていても、『少しスタンスの位置を変えてもう一回やってみようか？』と、優しく声をかけるなど子供達が納得できるショットが打てるまで何度も繰り返しアドバイスをしていた。

昼食は、谷口も子供達みんなと肩を並べてカレーライスを頬張った。この日がクリスマスということもあって谷口から子供達みんなにケーキのプレゼントもあり、みんな大喜び。

最後は、この日レッスンをうけた子供たちから谷口に宛てた手紙と、一人ひとりがメッセージを書き込んだツリーの飾りをプレゼントされた。谷口からは記念のマーカーをひとりひとりに手渡れ、子供達に「今日はみんなにデモンストレーションなでショットを実際に打って見せることはできなかったけど、今日１日のことが少しでもみんなのレベルアップに繋がってくれれば嬉しいです。これからもゴルフを楽しんで頑張ってください。また来年みんなが成長した姿を見られるように1年後楽しみにしています。」と、エールを贈り子供達みんなが見送る中コースを後にした。

谷口に『このレッスン会の講師として来てほしい！』と最初に声をかけた杉本真美プロは今でもその時の事は『忘れない』と、話す。

2006年の『三井住友VISA太平洋マスターズ』のプロアマ終了後にパッティンググリーンで練習をしていた谷口に声をかけた杉本プロ。谷口は即答で『行きます。』と応えたという。
それから4年、谷口はシーズンオフに開催されるこのジュニアレッスン会には必ず顔をだし、熱心に子供達を指導してきた。

いつかこの子供達の中からプロが誕生し、谷口と同じフィールドで戦うのはそう遠い未来のことではないかもしれない。

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