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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2011

谷口徹は「そんなにヤワじゃない」

藤田と、石川に挟まれる形で座った恒例の閉会式。敗れて「あ〜ああ」と思わず苦笑いもこぼれて・・・
2011年のツアー最終戦は、今年もまた40代の2人が主役だった。谷口は今年こそ、藤田に仕返しが出来たはずだった。前半は6番からの3連続バーディで、2打差の単独首位に立って、とうとうこの最終戦で石川遼の今季初Vを封じ込めるのは、自分の役目になるはずだった。

折り返しの10番で、石川がティショットを左の崖下に落とし、自分もセカンドショットを崖下に落としたが、ピン2.5メートルのパーセーブでガッツポーズを握った。

それは、確かに勝敗の分かれ目であり、今季2勝目のカウントダウンを開始したはずだった。
14番でもバーディを奪い、通算10アンダーでさらに差は開き、もはや誰も追いかけては来られない。「勝てる計算だったんですけど」。

敵はやにわに現れた。昨年のこの大会で最終日に谷口はコースレコードタイ記録の61をマークして猛追した藤田に、今度は一転、追われる身となった。
17番で藤田がイーグルを奪ってコースに轟いた大歓声も、しかし谷口はまさか並ばれたとは思わず「自分も17番で、最低限4を獲るだけだ、と」。

最後のパー5も自身のイーグルトライは惜しくも外したが、それでも楽々のバーディで、再び1打差で突き放して最終18番は、「3を獲ればいいだけだった」。しかし短いパーパットを外した。
プレーオフは、再び18番ホールのサドンデスで、2ホール目にティショットを左のラフに打ち込んだ。

本戦の72ホール目にパーパットを外した。そのショックを引きずったままだったのか・・・・・・。「そんなヤワじゃないですよ」と、一蹴した。
2日目に同組で回った藤田にも、「今週は最年長ですね」と言われて突っぱねた。
「気持ちはまだまだ若い!」。
このツアー最終戦で今季2勝目をあげて、賞金ランキングで裵相文(ベサンムン)に続く2位につけて、「日本人で誰が一番強いか見せてやる」と、闘志満々でやってきた。
最終日は、石川に負けじと真っ赤なパンツで対抗して、20歳を凌駕するハツラツとしたプレーで最後まで全力で、今年最後の頂点を狙っていった。

ベテランの夢も打ち砕かれて「最後の最後にがっかりです」と肩を落としたが、2年連続で最後の最後にまた、強烈な存在感をアピールするには十分の熱戦で、43歳が2011年を締めくくった。

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