記事

日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2017

9番でガッツポーズ、藍さんとハイタッチ! まだまだ若いぞ、谷口徹

地元・沖縄が誇る宮里兄弟のお株を完全に奪った。この日初日、応援に駆けつけた藍さんと、誰よりも良いスコアでハイタッチを交わしたのは、49歳。
久しぶりに会ったという藍さん。
「聖志の応援だったのに、藍ちゃん効果で自分も良いスコアで回れた」と、得意満面。谷口徹が首位発進した。ボギーなしの64は、スタートからガンガンに飛ばした。

インスタートの10番から4連続バーディを奪うと、折り返してアウトの上がりを3連続バーディでがっつり締めた。

2週前の中日クラウンズは最終日の18番ホールに続いて、今週も早々にガッツポーズを振りかざした。2オン狙いのこの日最後の9番では、右手前のラフに外した3打目を、4メートルにつけてこれを沈めた。

この日、一緒に回った聖志と、ひとつ後ろの組で回っていた優作を、応援に来ていた藍さんと、谷口もグリーンサイドで「イエーイ」と、嬉しそう!

この日は、スタートティでアドレスをした際に、左のテントの中にいたはずの、青木功がいつの間にか、谷口のすぐ右後方に立っているのに気がついて、「緊張してしまった」と、レジェンドの視線に初々しく左に引っかけたのはご愛敬。

ラウンド途中には、藍さんに「頑張って!」と声をかけられ「俺は大丈夫なんで。聖志を応援してやって」と、シード権を失ったままの後輩を気遣う余裕も、のぼってくだって、起伏の激しいコースは沖縄の蒸し暑さも加わって、ホールとホールの合間の上り坂が特にきつくて途中から、息もあがって「年齢的にも、歩くので必死でした」。

今平周吾をはじめ20代の選手たちと回った練習ラウンドでも、アップダウンのコースで「普通に喋りながら、歩いていく。彼らとは元気度合いが違う」と、埋められない年の差を感じていながら、いざふたを開ければこの元気である。

今年は春から好調で、2012年大会を制したこのプロ日本一決定戦は「最近まで縁もないなあ、と思っていたけど。またうまくゴルフが出来るようになって、勝てそうな気になってきた」。
2007年にやはり、ここ喜瀬で行われた今大会に続いて、10年越しの首位(当時は5人タイ)発進も手伝い、そんな自分が凄いのか。はたまた「周りが下手なのか。わかんないですけど」。いつもの歯に衣着せぬ物言いと共に、がぜん色気が出てきた。

若いライバル(?!)の小平智が勝てば、ジャンボの記録をぎりぎり3日、更新して最年少の3つの日本タイトル制覇となるが谷口は、ジャンボが持つ今大会最年長V記録(49歳109日)に、わずかに16日及ばないのが悔しいやら、改めてジャンボの凄さに驚嘆するやら。

「49歳といえば、ジャンボさんはまだまだ全盛期」と、それもひとつの励みに「小平とは5打差か」とぽつりと「ショットの天才とパットの天才。どちらが強いか。勝負ですね」。
まだまだ負けるつもりのない49歳である。

関連記事