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カシオワールドオープン 2016
正岡竜二が初めて週末の最終組に
「・・・大学の後輩ですけど」。
正岡の2つも年下ですけど、池田はすでにツアー通算15勝。
プロ転向も、正岡の1年後の07年だが、翌年には初シード入り。正岡は、やっと2014年にシードを取った。
相手がたとえ後輩でも「上手い人からは、何でも吸収したい。すぐに練習ラウンドをお願いしに行って。いまは毎週、一緒に回ってもらってる。後輩でもいろいろ教えてもらってる」。
食事も、気前の良い池田におごってもらう。
「本当によくしてもらってる」。
普段はほとんどタメ口でも、これというときは「竜二さん」と呼んで、先輩を立ててくれたりする。
今は、自身も賞金レースの大事な局面を迎えて、大変なときでも、気にかけてくれたりする。
この日2日目は、トップスタートで出ていった正岡は、恩人の後輩がハーフターンするのと、自身のホールアウトと重なり「明日おまえと一緒に回れるように。俺も頑張ってくる」。
そう言われて、正岡も気合いが入らないわけがない。
3週前にこじらせた風邪の症状は、まだ続いているが単独首位から出たこの日は「守りに入りがちだけど、攻めるところは攻めてうまく行った」と、前半の16番ではチップイン。
後半は2番で池に入れたが、すぐ3番で、6メートルをねじ込んだ。
体調不良の中でも、スコアを伸ばして後輩の結果を待った。
約束どおり、通算8アンダーで単独首位にのし上がった池田。
「勇太は学生時代から、仲の良い友達みたいな感じでいい関係」。
3日目にして、正岡との最終組を実現させた。賞金シードと賞金レースと、互いの正念場で最高の舞台を設定してくれた。熱き後輩の思いに応えたい。