Tournament article
アコムインターナショナル 2000
谷口徹が通算11アンダーで2位と3打差つけて首位
先の日本マッチプレーでは、2年連続で決勝進出を果しながら2位に敗れるなど、この2年間、再三チャンスを逃してきただけに、「今度こそ、長い冬にピリオドを打って、春が来てくれたらいいな」と語った。
大会3日目。1番から3連続バーディを奪い、谷口は派手なスタートを切った。
通算10アンダーまで一挙にスコアを伸ばし、トップまで上りつめた折り返しの10番パー4。
「左からフェードで攻めよう」と打ったティショットは、本人も「ビックリ」するほどのミスショット。
クラブがインサイドから入って、思惑とはまったく逆のフックボールが出て、ボールは林の中へ消えた。
「これが不幸の始まりか、と思った」と谷口。
が、次の瞬間、なんと、球は木に当たってラフまで跳ねかえってきた。
「しかも、そこからピンまで10メートルに乗っただけというバーディパットも入ってしまった…こんなラッキーもあるのか、とビックリしました」
通算11アンダー、2位と3打差。
98年の三菱ギャラントーナメント以来のツアー通算2勝目にむけ、絶好の位置で最終日を迎える。
先の日本マッチプレーでは、2年連続で決勝進出を果しながら2位に敗れるなど、この2年間、再三チャンスを逃してきただけに、「今度こそ、長い冬にピリオドを打って、春が来てくれたらいいな」と語った。
「マッチプレーとか、その翌週のサントリーとか、また98年に勝ったあとから、何度も2位や3位に敗れた試合があったけれど、それに対して悲観はしていません。
これまでのことはもう済んでしまったことで、どうでもいいかな、と思うし、僕以上にいいプレーをした人がいたら負けるのは仕方ないこと。何より、勝つということは、そう簡単にはいかないと思いながら、毎週プレーしていますからね。
終わったことを考えるより、今のゴルフを大事にしていきたい。
それに、2位にそんなけいられるってことは、僕が優勝にもっとも近い位置にいる人間、ということです。
勝つためにはそれにプラスαで、ひとつふたつのツキが必要。
今日の10番みたいなことがあると、やはり『あれがそういうことなのかな』とか思ってしまうけれど…。
僕はゴルフをやっている以上、他の誰にも負けたくありません。明日ももちろん、そう。
誰か特定の人、というより、ここに出ている人、みんなに負けたくない。ここに出ている選手みなさんがライバルです。
今日も途中でトップに立ったとき、このまま(通算)10(アンダー)くらいにしたいな、と思いました。下のスコアなんか見る必要はない、と思った。
差はあればあるほどいい。どんなに差がついても守りに入らず、必死に攻め倒して、相手を早く諦めさせるようにしないといけないと思った。結局、今日の時点で3打差。伸ばしたほうでしょう。
明日は、とりあえずみんなが取りやすい1番、2番で、自分も取っていければ、そのまま一気にいけるんではないか、という気がしています。
今日はこれから、帯同トレーナーに、体をほぐしてもらって、疲れを取ります。
トレーナーは今年からついてもらっているのですが、そのおかげで体の左右のバランスが非常に良くなりました。
疲れたときでも、スイングの軸がぶれないし、テンポとかリズムとか日増しによくなってきたんです。今年、こうやって戦えているのは、トレーナーの方のおかげです。
今日はもう、球は打たない(練習はしない)。打つ必要はないくらいショットの調子はいいし、僕は練習はフィーリングを大切にしたいと思っているから。
球の整え方とか、フック、フェードの打ち出しラインとか、そういうのだけポンポンと押さえて打てば、あとはティグラウンドに立って、その球を打つだけです。
明日は3打ビハインドでも、攻める気持ちを大事にして…。でも、僕に勝った人は、よっぽど僕をいじめたいんでしょうね(笑)。
長い冬にピリオドを打って、早く春が来てくれないかな(笑)」