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アコムインターナショナル 2000

16番でとどめのイーグル

谷口徹はどんなにリードを奪っても最後まで、攻撃の手を緩めなかった。

 11番パー4で50センチのバーディパットを決めて、2位との差を5つに広げても、谷口の勢いは止まらなかった。

 「今日は4つ取れればいいかな、と思った。でも、その4つをクリアした時点で思ったんです。もっともっと大差をつけないと、勝てる気がしない。差はいくらあってもいい。これでもか、というくらい、差をつけて勝ってやる、と」

 15番で5メートルを沈めて続く16番。544ヤードのパー5では、残り263ヤードの第2打を4番ウッドでピン手前4メートルに2オン。

 これを楽々沈めてトドメのイーグルを奪うと、右手を高々と上げてガッツポーズだ。
 通算20アンダー。後続を完全に突き放したこの16番の第2打が、「ウィニングショットでした」と谷口。

 6打差で迎えた最終18番の第2打も「直接、入ったかと思った。それくらい手応えがあった」というファインショット。ピンまで4メートルにつけたその瞬間、16番で見せたのよりも、さらにど派手なガッツポーズで、勝どきをあげた。
 「今日は、楽しくて仕方なかった。ショットは、打てばピンに寄るという感じだったから」。そのピークは、上がり3ホールでやってきたのだ。

 98年の三菱ギャランでの初Vのあと、「次もすぐに来る、年に1勝ずつくらいは出来るんじゃないか、とまで思っていた」という。
 しかし、幾度もV争いに絡みながら、あと1歩のところで勝てなかった。
 「こんなにも勝つことって難しかったのか、と思ったこともあった」という。

 幾度も悔し涙を流した末に、ようやくつかんだ悲願のツアー2勝目。
 「勝てなかった時間は、本当に長かった。僕は、1打の重みを、人一倍感じています」

 2年と4ヶ月の鬱憤を、すべてこの18ホールにぶつけたかのような、見事な勝ちっぷりだった。

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