Tournament article
コカ・コーラ東海クラシック 2005
谷口徹と小山内護共通の喜びに湧く2人が好発進
一人は6アンダーの2位タイにつけた谷口徹だ。
ちょうどオープンウィークに当たる先月の28日(水)。妻・亜紀さんが3200グラムの女の赤ちゃんを出産した。
「・・・生まれたらすぐこのスコア。別に関係ないんだけどね」とクールに答えたが、実は4月のアジアVS日本の対抗戦ダイナスティカップで、身重の亜紀さんが体調を崩したのを気遣って、出場をきゅうきょキャンセルしたほどの家族想いだ。
「・・・やっぱり生まれて来るまでは、何があるか分からないから。無事でよかった。肩の荷が降りた気がした」。
生まれたその日に亜紀さんの実家がある大分県で対面して父親としての本音もチラリとこぼれ出た。
おかげで先週はすっかり練習はおろそかになったが、それ以上に、ベビー誕生の精神的な効果は大きかったようだ。
もうひとりが、晴れてパパになったのが小山内護(=写真下)だ。今週の4日火曜日。妻・礼子さんが3000グラムの元気な女児を出産した。
陣痛が始まった、という連絡を受けたのは月曜日だった。
練習ラウンドの真っ最中だったが、ハーフターンでやめてきゅうきょ東京に舞い戻った。
病院に駆けつけて、出産に立ち会うことができた。
ラウンド中も、携帯電話におさめてきた赤ちゃんの写真が見たくて、その衝動を抑えるのに大変だ。
まだ大会は始まったばかりというのに「早く家に帰りたくてしょうがない」と、笑う。
そんな思いとはうらはらに、ゴルフは絶好調だ。
今年7月から握った中尺パターの効果でパッティングのイップスから開放されたと同時に、ショットでも無理をしなくなり、安定感が増した。
この日初日はフェアウェーを外したのは15番の1ホールだけ。
首位と2打差の5位タイスタートに、心中は複雑だ。
「早く帰りたかったのに・・・」。
そんな小山内を、礼子さんがいさめる。
「しっかり、入院代を稼いで来てね!」。
その言葉で気合を入れなおした。
無条件で愛しい家族のために、2人の新米パパが頑張っている。