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サントリーオープンゴルフトーナメント 2006

谷口徹「ちっちゃくてもいいから」

600ヤードの8番パー5。アプローチウェッジで打った残り103ヤードの第3打は「一瞬、強い、と思ったけれど」。
ピン奥8メートルからバックスピンで、ピンに向かって一直線。
「糸を引いたように帰ってきた」。ボールはそのままカップに吸い込まれた。
「今季初」のイーグルはチップイン。
6アンダーは、単独首位スタートだ。

うっそうと張り出した松林は、空中のハザードとなって、球の行く先を阻む。狭いフェアウェーに、生い茂る深いラフ。
ショットメーカーの谷口でさえ手こずるここ総武で、「我慢するところは我慢しながら、ピンチもうまく処理できた。バンカーからうまく寄せられたり、良い展開にできた」。

練習日に自信を得たことも大きい。
中嶋常幸が一緒に回るたびに言うセリフ。
「谷口と回ると、アプローチのイメージが良くなっていいんだ」。
そう言われてもちろん悪い気はしなかったが、ではいったい中嶋は、具体的に自分のどこを評価してくれているのか。

ずっと分からなかった。

「聞いても具体的なことはずっと教えてくれなかったのに、今週、たまたまそれを聞く機会があって。ああそうだったのか、と。そこを意識して練習すれば、もっとアプローチが良くなるな、と。とても良いヒントになりましたね」と、中嶋に感謝。
この日の好発進につながった。

今週は、米ツアー参戦中の宮里藍さんが一時帰国。北海道のニドムクラシックコースで行われる日本女子プロゴルフ選手権が、今季初の国内戦となる。

インタビュールームに座るなり報道陣の顔ぶれを見渡して、「みんな、藍ちゃんに行っちゃったのかな?」と、おどけた谷口。
「藍ちゃんは久しぶりだしいまもっとも旬の選手。注目が集まるのは仕方ないけれど。僕も上位陣に割り込んで、ちっちゃくてもいいから、紙面に載れるよう頑張りますよ」。
ニヤリと笑った。

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