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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2007

谷口徹「黙ってアメリカに帰ってもらおう」

ここ大洗ゴルフ倶楽部は、「どこでも簡単にバーディが取れるコースではない」。ホールに沿って密集する黒松の林。狭いフェアウェー、砂地に生い茂る深いブッシュ。さらに、すぐそばの鹿島灘から強い海風が吹き付ける

。「実力の差が出るコース」。
まさに総合力が問われる舞台で、前日2日目にただ一人アンダーパーで、トップに躍り出た。
「凄く嬉しかった」。
素直な喜びを、ホールアウト後の風呂場で吐き出した。毎日1時間、トレーニングとストレッチを日課にしている場所。

そこで繰り広げられた谷口のその日のプレーの自慢話は、ロッカールームにまで響き渡るほどだった。
「君たちがいるから、僕の平均スコアが上がって嬉しいよ」。
親しい選手を相手に、冗談まじりに話していた。
その声を聞いて、ドアを開けかけた手を止めた選手がいた。
米ツアーから一時帰国して今季初戦を迎えた丸山大輔だった。

谷口にからかわれるのを避けて、とりあえず大雨で濡れた服を着替え、髪を乾かし「昨日は早々に立ち去りました」と苦笑した丸山はこの日、4位タイに浮上して「谷口さんを黙らせたい」と言った。

一方、再びただひとりアンダーパーで単独首位をキープしたこの日3日目。丸山のその言葉をインタビューの席上で、報道陣があえて匿名で「A選手のコメント」として本人に伝えると、谷口はたちまち気色ばんで「・・・その選手って、M・Dじゃない!?」。

すぐに相手を察して、反撃だ。
「アメリカで通用しない選手は日本でも通用しない。餞別を贈るから、大輔には黙ってアメリカに帰ってもらう!」

因縁の2人が、同じ組で回れないのが残念だが最終日最終組で回る谷口は「後ろの組から、大輔を見ときます」と、ライバルを威嚇した。

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